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法人向けPM育成

OJTだけでPM育成が失敗する理由|OJT前に揃えるべき共通言語・基礎知識・レビュー基準

#PM育成 #OJT #受託開発 #育成設計 #若手PM

「PMは現場で育てるしかない」「結局OJTが一番」——この考え方自体は間違っていません。実務経験は何にも代えがたい学習機会です。

しかし、 OJT「だけ」に頼ると育成は失敗します。本記事では、OJTを否定するのではなく、OJTが本来の効果を発揮するために事前に揃えるべき3つの土台——共通言語・基礎知識・レビュー基準——について整理します。

OJTが「学びにならない」3つの状態

OJTが機能していない現場には、共通する3つの状態があります。

  1. 何が学習機会だったか、本人も上司も特定できない:案件は終わったが、何を学んだかが言語化されない
  2. 同じミスが別の案件でも繰り返される:1案件目で経験したリスクが、2案件目で再発する
  3. 担当案件のタイプによって学べる量が大きく変わる:炎上案件に入った人だけが成長する

これらの状態は、本人の意識やセンスの問題ではありません。 OJT前に整えるべき土台が組織にない ことが原因です。

OJT前に揃える土台1:共通言語

社内で「進捗」「リスク」「課題」「決定事項」「未決事項」「スコープ」「変更要求」といった言葉が、人によって違う意味で使われていないか確認してください。

例えば「進捗60%」が、ある人にとっては「全タスクの60%が完了」、別の人にとっては「主要マイルストーンの60%通過」を指していると、週次会議で全員が違う絵を見ています。OJT中の若手PMは、上司が「進捗どう?」と聞くたびに、毎回基準を考えなおすことになります。

共通言語の整備は、辞書を作るほど大袈裟である必要はありません。 A4一枚で「うちの社内用語15個」を定義する だけで、OJTで学べる内容が一気に増えます。

OJT前に揃える土台2:基礎知識

PMの基礎知識——見積の作り方、WBS、進捗管理、課題管理、リスク管理、変更管理——をOJT中に「現場で教わる」のは、教える側にも教わる側にも非効率です。

これらは事前に座学で2割を学んでおき、OJTで残り8割を実践に落とすほうが圧倒的に効率的です。座学は集合研修である必要はなく、Udemyのような動画教材で十分です。重要なのは「最低限の基礎知識を持っている前提でOJTを始める」ことです。

基礎知識が揃っていないままOJTに入ると、現場で起きたことを「学び」として捉える前に「目の前のタスクをこなす」ことで頭が一杯になります。同じ案件を経験しても、基礎を持つPMと持たないPMでは、学習量が3倍以上変わります。

OJT前に揃える土台3:レビュー基準

OJTの本質は、現場経験そのものではなく 「現場経験に対するフィードバック」 です。フィードバックの質は、レビュー基準が言語化されているかどうかでほぼ決まります。

レビュー基準の例:

アウトプット確認する観点
見積書前提条件・除外項目・想定リスクが明記されているか
課題管理表課題・担当・期限・判断者・状態の5列が埋まっているか
週次報告進捗率・残作業・リスク・決定事項・次週予定の5項目があるか
顧客向け資料結論・根拠・次のアクションの順で書かれているか

レビュー基準が共有されていれば、若手PMは事前に自己点検できますし、上司ごとにレビューの強度がばらつくこともなくなります。OJTの再現性が組織として担保される、ということです。

OJTの効果を引き出す「3つの問い」

土台が整ったら、OJT中に上司から若手PMにかける「3つの問い」を習慣化することで、学習効率は飛躍的に上がります。

  1. 「今回の判断は、何を根拠に決めた?」——判断の言語化を促す
  2. 「同じ状況がまた起きたら、次は何を変える?」——経験を再利用可能にする
  3. 「他のメンバーに渡すなら、どう説明する?」——暗黙知を形式知に変える

この3問を週1回の1on1で繰り返すだけで、OJTから得られる学習量は数倍になります。

チェックリスト:自社のOJTが機能する土台は揃っているか

  • 社内主要用語15個程度の定義が、A4一枚にまとまっている
  • OJT開始前に、PM基礎知識を学ぶ仕組み(動画教材・社内勉強会)がある
  • PM主要アウトプットのレビュー観点が、4〜5項目で言語化されている
  • 週1回の1on1で、判断の言語化を促す問いかけが習慣化されている

OJTの「次に何を任せるか」設計が必要

土台が整ったうえで、もう1つ重要なのが「次に何を任せるか」の段階設計です。OJTを長く続けても、いつまでも同じレベルのタスクしか任せない場合、本人の成長は止まります。

進捗管理 → 課題管理 → 顧客報告 → 見積補助 → 顧客折衝 → 案件主担当——という段階を、本人と上司で共有しておくことが望ましいです。

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まとめ

OJTは強力な育成手段ですが、それ単独では再現性のある育成にはなりません。共通言語・基礎知識・レビュー基準の3点を土台として揃えれば、同じOJT期間でも学習量は大きく変わります。

自社のOJT土台が機能しているかを客観的に確認したい場合は、PM組織健康診断 で現状を可視化できます。育成体制全体の設計を相談したい場合は、法人向けPM育成パック も参考にしていただけます。