72H TIMELINE
最初の72時間で何をするか
炎上初動には「止めるフェーズ」「把握するフェーズ」「合意するフェーズ」があります。
時間軸を守ることが、最短回復ルートです。
止血する
損失を拡大させている行動を、まず止める。分析より先に停止判断を行うフェーズ。
- 新規開発・新規受け入れを一時停止
- 不要な会議体と未承認の変更受付を止める
- 関係者へ第一報(事実だけ)
把握する
何が起きているかを事実ベースで棚卸し。仮説より「数えられるもの」を集める。
- 残工数・残バグ・残課題を数値化
- 契約・スコープ・追加要望の境界線を整理
- キーマンと依存関係を見える化
合意する
顧客・上司・チームと方針を合わせる。撤退・スコープ削減・体制変更も含めて選択肢を提示。
- 損失の見立てと選択肢を経営層へ提示
- 顧客と「次の安全な里程標」を再合意
- 日次の報告ルートを固定化
- 状況を整理する
- 止血手順を実行
- 経営層と方針合意
- 再発防止と学習
PJ炎上の初動で最も大切なこと
プロジェクトが炎上したとき、多くのPM・PLは「何か正しいことを始めなければ」と焦ります。しかし初動でまず必要なのは、損失を拡大させている行動を止めることです。動き続けることより、止まることの方が難しく、そして重要です。
炎上プロジェクトでよく見られる失敗は、原因分析に時間をかけすぎて止血が遅れること、または全員が別々の方向に走ってしまうことです。最初の8時間は分析より「止める」ことに全力を使ってください。
次の8〜24時間で状況を正確に把握し、24〜72時間で関係者と方針を合意する。この3段階の時間軸を守ることが、炎上からの最短回復ルートです。
炎上パターン別の概要
スコープ膨張とは
要件・スコープが制御できない状態。仕様が日々変わり、追加要望が止まらず、何が「当初の契約範囲」で何が「追加」なのかが曖昧になっている状態です。止血は「変更の受付を書面に限定すること」から始まります。スコープ膨張の手順を見る →
品質崩壊とは
バグが多発し、修正しても別の不具合が発生する状態。テスト・品質基準の不備が根本原因です。止血は「新規開発を止め、バグを致命度で分類すること」から始まります。品質崩壊の手順を見る →
納期崩壊とは
見積・計画が破綻し、どう頑張っても納期に間に合わない状態。残業が常態化しチームが疲弊します。止血は「間に合わないという事実を認め、スコープ削減の選択肢を整理すること」から始まります。納期崩壊の手順を見る →
顧客関係悪化とは
コミュニケーション不足・期待値のズレによって顧客の信頼が失われた状態。会議が紛糾し、何を言っても疑われます。止血は「弁明をやめて聞くことと、報告の頻度を上げること」から始まります。顧客関係悪化の手順を見る →
体制崩壊とは
キーマンの離脱やスキルミスマッチによって、プロジェクト遂行に必要な人員・知識が不足した状態です。止血は「誰が何を知っているかを棚卸しし、知識の空白領域の作業を止めること」から始まります。体制崩壊の手順を見る →
赤字確定とは
コスト・利益の管理不全により、このまま進めると赤字が確定している状態。追加交渉の難航、撤退判断の遅れが損失を拡大させます。止血は「損失額を正確に把握し、損失を拡大させている作業を止めること」から始まります。赤字確定の手順を見る →
このツールについて
本ツールは、株式会社テックエイドの代表がIT受託開発の現場で得た経験をもとに作成しました。「プロジェクト炎上の対処法」を検索すると予防策や心構えの記事ばかりで、「今、具体的に何をどの順番でやるか」を示すコンテンツが不足していました。このツールはその空白を埋めることを目的としています。