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法人向けPM育成

PM育成がOJT任せになっている会社が最初に整えること

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PM育成がOJT任せになっている会社が最初に整えること

「うちはOJTで育てている」と言う受託開発会社のほとんどで、実態は「案件に入れて、先輩の背中を見せている」です。明示的に何かを教えているわけではなく、経験の機会を与えているだけです。

それでうまく育つこともありますが、育つかどうかは先輩と案件の質次第になります。良い先輩に良い案件で育てられたPMと、そうでないPMとの間に大きな差が生まれ、組織のPM水準がなかなか上がりません。

OJTを否定する必要はありません。現場経験はPM育成の核心部分です。ただ、OJTだけでは足りないものがあります。その部分を補う仕組みを作ることで、育成の属人化から抜け出せます。

最初に整えること1:PMに求める役割

「うちのPMに何をしてほしいか」が言語化されていない会社では、育成の目標が決まりません。報告書の作成なのか、顧客との要件定義なのか、メンバーのタスク管理なのか。会社によって、また案件の規模によっても変わります。

まず「うちのPMはこの3つをやれる状態が目標」という最低ラインを決めましょう。PMBOKの全知識体系を求める必要はありません。受託開発の現場で日々使う動作に絞って定義します。

最初に整えること2:共通スキル

PMに求める役割が決まれば、そのために必要なスキルが絞り込めます。受託開発会社では「週次進捗報告の書き方」「課題管理表の運用」「顧客定例の進行」あたりが共通して必要になることが多い。

これを会社として「このやり方でやる」と決めておくことが大切です。全員が同じやり方でやる必要はありませんが、共通言語として基礎フォーマットを持つことで、上司が指導しやすくなり、若手が先輩に聞きやすくなります。

最初に整えること3:レビュー観点

現場任せのOJTで最も抜け落ちやすいのが、レビューの観点です。先輩PMが若手の進捗報告や会議メモを「なんとなく確認」するのと、「報告に課題の状況と次アクションが揃っているか、リスクの記述はあるか」というポイントで確認するのとでは、若手の学びが変わります。

「うちのPMレビューで見るべき3点」を決めておくだけで、誰がレビューしても最低限の視点が揃います。これが育成の一貫性につながります。

最初に整えること4:学習教材

OJTを補う共通教材を1本用意すると、共通言語づくりが加速します。社内で独自テキストを作る必要はなく、Udemy等の外部講座を「うちの基礎講座」として指定するだけで十分です。

UdemyをPM社内育成に使うときの4つの失敗パターンでも触れていますが、講座を指定するだけでなく「受講後に現場でやってみること」をセットで決めておくのが重要です。

小さく始める育成サイクル

以上の4点をいきなり全部整えようとすると、プロジェクト化して頓挫します。最初は「PMに求める役割を1枚の紙に書く」「レビューで必ず確認する観点を3つ決める」という小さなアクションから始めましょう。

育成サイクルは、設計→経験→レビュー→振り返りの繰り返しです。この循環が回り始めれば、OJTの質は格段に上がります。


「OJTの偶発性」を制度設計で補う

OJT(職場での実地訓練)は「たまたまその仕事が来た」という偶発性に頼ることが多く、意図的な育成設計がないと経験に偏りが生じます。「課題対応→振り返り→次の機会設計」という意図的なサイクルを組み込むことで、OJTの偶発性を制度でカバーできます。

意図的なOJT設計が、「たまたま育った人材」から「意図的に育てた人材」への転換を実現します。

「OJTの振り返り」を構造化する

OJTの経験を活かすための振り返りを、「経験した内容・うまくいった点・改善すべき点・次回への教訓」という4点で構造化することで、経験が学習に変わります。振り返りなしのOJTは、同じ経験を繰り返しても成長につながりにくいです。

毎月の1on1でOJTの振り返りを構造化して行うことで、経験から学ぶ力が継続的に高まります。振り返りの習慣が、OJT依存の育成の質を高める最も実践的な方法です。

「内部メンター制度」でOJTを強化する

OJT依存の育成体制を改善するために、「内部メンター制度」を導入することが有効です。経験豊富なPMが若手PM候補のメンターとなり、定期的な対話を通じてOJTの経験を体系的な学習に変換します。

メンターとの定期対話が、OJTで経験した出来事の「意味付け」を助けます。意味付けがされた経験が、真の知識として蓄積されます。

「外部研修との組み合わせ」でOJTを補完する

OJTだけでは習得しにくいスキル(体系的な知識・最新のフレームワーク・他社事例)を、外部研修や講座で補完することで、育成の完成度が高まります。OJTで「実践」し、外部研修で「体系化・深化」するという組み合わせが、PM育成の黄金比率です。

OJTと外部学習の組み合わせを年間の育成計画に明示することで、計画的な人材育成が可能になります。

「意図的な失敗の機会」を設計する

OJT依存の育成でよく見られる問題は「失敗させたくないために難しい案件を避ける」という過保護な対応です。しかし適切なサポートがあれば、意図的に少し難しい案件に挑戦させることで、失敗から回復する力(レジリエンス)が育ちます。

「失敗させてもフォローできる」という組織的な安全網があることで、PM候補の大きな成長機会が生まれます。失敗から学ぶ力こそが、実際のPM業務で最も必要な力の一つです。

「OJT記録の組織共有」でナレッジを守る

個人のOJT経験から得られた知識は、その人が組織を離れると失われます。OJTで経験した課題・対処法・教訓を組織として記録・共有する仕組みを設けることで、個人の経験が組織のナレッジになります。

「Wiki・共有ドキュメント・ナレッジベース」などのツールを使って、OJTの学びを蓄積することが、組織の育成力を高める長期的な投資です。

「OJTの偏りを是正する仕組み」

OJT依存の育成では「経験できる案件の種類」に偏りが生じやすいです。特定の種類の案件しか経験できないPM候補は、多様な状況への対応力が育ちません。

意図的に「異なる種類の案件・異なるチーム・異なる顧客」を経験させるローテーション設計が、OJTの偏りを是正します。多様な経験の蓄積が、どんな状況にも対応できるPMを育てます。

「「何を経験させるか」の計画表を作る」

OJT依存の育成を体系化するための第一歩として、「PM候補に経験させたい業務・場面・課題」の計画表を作成することが有効です。「1年目はXXを、2年目はYYを経験させる」という計画が、偶発的なOJTを意図的な育成に変えます。経験の計画表が、OJT育成の羅針盤になります。

OJT依存からの脱却を始める最初の一歩は「現状の記録」です。「今のPM候補が何を経験していて、何を経験していないか」を記録することで、育成の空白が見えてきます。この空白の可視化が、体系的な育成の出発点です。

自社のPM育成の現状を整理したい場合は、法人向けPM育成ページで支援内容を確認してください。どこから手をつけるべきか分からない場合は、PM組織健康診断で現状の課題を可視化することから始めることをお勧めします。

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