「バグが出ました」「バグの修正に時間がかかっています」。IT現場では日常的にバグという言葉が登場します。でも、バグとは正確には何を指しているのか、どうして起きるのかを説明できる方は意外と少ないかもしれません。
この記事でわかること
- バグの意味と、バグが発生する主な原因
- バグとエラーの違い
- バグが見つかったときの対応の流れ
- 非エンジニアやPMがバグ対応で関わる場面
バグとは?
バグ(Bug)とは、プログラムの誤り・不具合のことです。「システムが意図した通りに動かない状態」を指します。
たとえば、ボタンを押しても反応しない、計算結果が間違っている、特定の条件でシステムがエラーを表示して止まる、といった状態がバグに該当します。
「バグ」という言葉は、1940年代のコンピューターに本物の虫(bug)が入り込んで誤作動を起こした事例から来ている、という話が有名です(諸説あります)。
身近な例で考えると
エクセルで給与計算シートを作ったとします。通常の入力では正しく計算されますが、ある月だけ特殊な値が入力されたときに計算式がエラーになってしまった、という状況を想像してください。
これはプログラムを書いた人(この場合はシートを作った人)が、その条件を想定していなかったことで起きた不具合です。ソフトウェアのバグも同じように、「書いた人が想定していなかった動作」によって発生することが多いです。
バグが発生する主な原因
バグはさまざまな原因で発生します。代表的なものを挙げます。
コードの誤り:プログラマーがコードを書くときにミスをする。計算式が間違っている、条件分岐の設定が誤っているなど。
仕様の曖昧さ:「こういう場合はどう動くべきか」が設計段階で決まっていなかったため、エンジニアが誤った判断でコードを書いてしまう。
想定外の入力:ユーザーが予想外の操作をした、または想定外のデータが入力されたときに対応できていない。
環境の違い:開発環境では動いていたものが、本番環境では動かないといった環境差異による問題。
複数の部品の相性問題:単体では動くが、組み合わせると問題が起きる結合バグ。
バグとエラーの違い
バグとエラーは混同しやすいですが、厳密には意味が異なります。
- バグ:プログラムの「誤り」そのもの。コードに含まれる問題
- エラー:バグや問題が原因で発生する「異常状態や表示」。画面に出る「エラーメッセージ」など
バグがあるからエラーが発生する、という関係です。エラーが表示されたときに、その原因になっているバグを特定して修正するのがデバッグです。
バグが見つかったときの流れ
バグが発見されてから修正されるまでの流れは、一般的に次のようになります。
- バグの発見:テスト中、または本番環境のユーザーから報告
- バグ票の作成:どんな状況でどんな問題が起きているか記録(バグ票・障害票)
- 優先度の決定:どのバグをいつ修正するかを判断
- 原因調査(デバッグ):エンジニアがコードを調べて原因を特定
- 修正:コードを直す
- 再テスト:修正後に同じ問題が起きないか、また別の問題が出ていないか確認
- クローズ:問題が解消されたことを確認して完了
IT現場ではどう使われるか
PMや非エンジニアは、バグ対応の技術的な部分(コードの修正)には直接関わりませんが、以下の場面で関与します。
- 優先度の判断:どのバグを先に直すかをエンジニアと判断する
- クライアントへの報告:バグの発生状況と修正見込みを報告する
- スケジュール管理:バグ修正に必要な工数を見込んでスケジュールを調整する
- 受け入れテスト:修正後のシステムが正しく動いているかを確認する
初心者がつまずきやすいポイント
バグはエンジニアのミスだとは限らない
バグの原因が仕様の曖昧さや要件定義の漏れにある場合、エンジニアを責めても解決しません。バグが出やすい開発プロジェクトでは、要件定義段階の改善が必要なこともあります。
バグは必ずゼロにできると思いがち
すべてのバグを発見・修正することは非常に難しく、大規模なシステムでは現実的にはできません。「既知のバグ一覧」を管理しながら運用することも一般的です。
バグの件数だけで品質を判断してしまう
件数だけでなく、重要度(致命的かどうか)・再現手順・影響範囲も合わせて評価することが大切です。
関連用語
- デバッグ:バグを発見・修正する作業
- バグ票(障害票):バグの内容を記録・管理する書式
- 重要度(Severity):バグがシステムに与える影響の大きさ
- 優先度(Priority):バグ修正の緊急性・順番
- ゼロバグ運動:バグをゼロにする取り組み(品質管理の手法の一つ)
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