「いつまでにできますか?」と確認した。担当者も「〇日までに終わります」と答えた。でもその日になってみると、まだ着手していなかった——こういう経験を繰り返している新任PMの方は多いのではないでしょうか。
期限を聞くだけでは、遅延は防げません。
期限を聞くだけでは遅延は防げない
担当者が答える期限は、多くの場合「問題がすべて順調に進んだ場合の見込み」です。外部待ちがあるかもしれない、他のタスクと並行しているかもしれない、完了の定義が曖昧かもしれない——そういった前提が見えないまま「〇日まで」という回答だけが来ます。
PMがその回答を額面通りに受け取って「では〇日に確認します」と終わると、遅延が分かるのはその〇日になってからです。
理由1:完了条件が曖昧
「終わった」の基準が担当者とPMでずれていることが多いです。
担当者は「自分の作業は終わった」という意味で「〇日までに終わります」と言っている。でもPMが求めていたのは「レビュー・確認まで含めた完了」だったとすると、実際に使えるアウトプットが来るのはさらに数日後になります。
期限を確認するときは「何がどういう状態になったら完了ですか?」を一緒に確認しましょう。
理由2:依存関係を確認していない
担当者が「〇日までに終わります」と言っていても、その作業が別の誰かの成果物待ちである場合があります。
「Aさんから設計書をもらったら始められる」「顧客の承認を待ってから進める」という依存関係があれば、その前提が崩れた時点で見込みも変わります。
「この作業を進める上で、他の誰かの成果物や承認が必要ですか?」という確認が、依存関係を把握する一言です。
理由3:途中確認のタイミングがない
期限の日まで担当者に任せきりにしていると、問題が起きていても期限当日まで分かりません。
「期限の半分のタイミングで一度確認する」という約束を最初にしておくと、問題があれば早めに察知できます。「水曜に途中確認させてもらいますね」という一言が、担当者に「進捗を報告する機会がある」という認識を作ります。
期限確認で追加すべき質問
期限を確認するとき、以下を一緒に聞くようにしましょう。
- 「この作業が完了した状態とはどういう形ですか?」(完了条件の確認)
- 「この作業を進める上で、他に依存しているものはありますか?」(依存関係の確認)
- 「〇日の少し前に一度途中確認させてもらえますか?」(確認タイミングの設定)
- 「詰まったり遅れそうになったら、早めに連絡いただけますか?」(早期報告の依頼)
4番目は特に大切で、「遅れていると言いにくい雰囲気」を先に潰しておくことになります。
担当者を責めない進捗確認
期限が守られなかったとき、担当者を責めても状況は変わりません。それより「次回から遅れそうなときに早めに言ってもらえる関係」を作ることが重要です。
「遅れていることを報告してくれてよかった」「早めに言ってくれたので対策できた」という声かけを習慣にすることで、担当者が問題を隠さない文化が育ちます。
まとめ
期限を確認しても遅延が続く理由と対策を整理しました。
- 理由1:完了条件が曖昧→「完了した状態とはどういう形か」を確認する
- 理由2:依存関係を見ていない→「他に依存しているものがあるか」を確認する
- 理由3:途中確認がない→「期限の半分のタイミングで確認」を約束する
期限を聞くだけの確認から、前提・完了条件・依存関係・確認タイミングを含めた確認に変えるだけで、遅延の察知が早くなります。
期限確認の悪い聞き方・良い聞き方
| 悪い聞き方 | 良い聞き方 |
|---|---|
| 「いつ終わりますか?」 | 「レビューと修正を含めて、完成形をいつ頃出せそうですか?」 |
| 「遅れていませんか?」 | 「今週末の予定に向けて、詰まっているところはありますか?」 |
| 「進捗はどうですか?」 | 「今この作業は何%くらい進んでいますか?残りの見積もりはどれくらいですか?」 |
「遅れていないか」と聞くのではなく「残りの状況を確認する」質問に変えると、担当者も答えやすくなり、実態が把握しやすくなります。
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