PMとして着任した最初の週、「早く成果を出さなければ」と焦る気持ちはよくわかります。しかし、その焦りから生まれる行動が、現場との信頼関係を最初から壊してしまうことがあります。
新任PMがよかれと思ってやってしまう行動の中に、実は逆効果なものがいくつかあります。
最初の週は成果を急ぎすぎない
PMが着任してすぐに成果を出そうとすると、状況をきちんと把握しないまま動くことになります。理解が浅い状態で下した判断は、後から覆さなければならないことも多い。
最初の週の本来の仕事は「観察」「把握」「関係構築」です。この3つにフォーカスできれば、2週目以降の動きが格段にスムーズになります。
やらない方がよいこと1:ルールをすぐ変える
「前の進め方が非効率なので改善します」と最初の週から言い出すと、現場はすぐに警戒します。
前任PMが作ったやり方には、表に出ていない理由や過去の経緯があることが多いです。「なぜそうなっているのか」を理解する前に変えると、かえって混乱を生むだけでなく、「この人は現場を見ずに変えようとする」という印象を持たれます。
改善は必要ですが、最初の週はその判断をする情報がまだ足りていません。
やらない方がよいこと2:担当者を詰める
遅れや問題を発見したとき、「なぜ遅れているのか」「なぜ報告しなかったのか」と責めるのは逆効果です。
担当者は着任したばかりのPMに対して、まだどこまで話してよいかを測っている状態です。そこで詰めると、「この人には本音を言えない」というシャッターが下りてしまいます。最初の週に信頼関係を壊すと、その修復には何週間もかかります。
問題を把握することと、責任を追求することは別です。最初の週は把握に徹しましょう。
やらない方がよいこと3:顧客に安易な約束をする
顧客との最初のやり取りで「それは対応できます」「早めに確認します」と言いたくなる場面があります。早く信頼を得たい気持ちからの発言ですが、これが後でプロジェクトを苦しめる原因になることがあります。
まだプロジェクトの全体像を把握しきれていない段階での約束は、チームと共有せずに進めたコミットメントになります。「できるかどうか確認してから回答します」と言える準備を、最初から持っておくことが大切です。
最初の週に優先すべきこと
やらない方がよいことを避けた代わりに、最初の週に優先すべきことは以下の3つです。
情報を集める: 前任PMから引き継ぎを受け、重要ドキュメントを読み込む。理解できない部分はメモして、質問リストを作る。
人を知る: チームメンバー・顧客担当者・社内関係者と短い会話をして、役割と担当範囲を把握する。
黙って観察する: 定例会議では最初から発言を求めず、誰がどんな役割で発言しているかを観察する。
焦りを感じるかもしれませんが、最初の週に「知ること」「聞くこと」に徹することが、2週目以降の判断の質を大きく変えます。
まとめ
着任直後の最初の週は「観察・把握・関係構築」に集中する週です。
やらない方がよい行動:
- 状況を理解する前にルールを変える
- 遅延や問題を担当者に追及する
- 顧客に内容未確認のまま約束する
代わりにやること:
- 情報を集めてメモする
- 関係者と短い会話をして人を把握する
- 会議では観察に徹する
「最初の週は成果よりも理解」という原則を持っておくだけで、着任後の失敗の多くは防げます。
着任1週間で試せる一言例
観察・確認に徹しながら関係を作るための会話の入り方です。
- 情報収集のとき: 「引き継ぎ資料を確認しました。この課題管理表で、今一番優先度が高い項目を教えてもらえますか?」
- メンバーとの最初の会話: 「今担当しているタスクと、困っていることがあれば教えてください。最初の週は把握を優先したいと思っています」
- 顧客との接触のとき: 「前任から状況を引き継いでいます。現時点でご不安な点や確認したいことがあればお聞かせください」
「すぐに解決策を提示する」より「まず聞く」姿勢を示すことで、関係構築がスムーズになります。
プロジェクト初動の進め方を体系的に学びたい方は以下もご覧ください。