「テストケースを作ってください」と言われて、何を書けばいいかわからなかった経験はありませんか。
テストケースはIT現場でよく使われる言葉ですが、実際に何を書くものなのか、どのくらい詳しく書けばよいのかがわかりにくいことがあります。この記事ではテストケースの基本と、確認観点の考え方をわかりやすく整理します。
この記事でわかること
- テストケースとは何か
- テストケースに書く項目
- 確認観点の基本的な考え方
- テストケースの漏れを防ぐポイント
テストケースとは?
テストケースとは、「何を確認するか」を具体的に書いた項目です。
「このシステムをテストします」というだけでは、何を確認したかが記録できません。テストケースを作ることで、「この操作をしたら、この結果になるはず」という確認項目が明確になります。
一般的に、テストケースには以下の項目が含まれます。
- テスト項目名:何を確認するかの名前
- テスト手順:どのような操作をするか
- 入力値:どのようなデータを入れるか
- 期待結果:正しく動いていれば、何が起きるか
- 実際の結果:テストしてみて、何が起きたか
- 合否(OK/NG):期待結果と一致したかどうか
身近な例で考えると
レストランの料理チェックリストを考えてみます。
「ハンバーグ定食が出せるかを確認する」というだけでは曖昧すぎます。そこで確認項目を具体的にします。
- 手順:ハンバーグを160℃で15分焼く
- 期待結果:中心まで火が通り、肉汁が透明になっている
- 確認方法:竹串で刺して確認する
- 結果:OK / NG
これがテストケースに相当します。「何をどうやって確認して、どうなれば合格か」を事前に決めておくことで、品質の判断が属人化しなくなります。
確認観点の考え方
テストケースを作るとき、何を確認項目にすべきかに悩むことがあります。よく使われる4つの観点で整理します。
1. 正常系(うまく動く場合)
正しい入力をしたときに、期待通りの結果になるかを確認します。「正しいIDとパスワードでログインできるか」などです。
2. 異常系(おかしな入力をした場合)
間違った入力や予期せぬ操作をしたときに、適切にエラーが表示されるかを確認します。「パスワードを空欄のままログインしようとしたらエラーが出るか」などです。
3. 境界値(数値の端っこ)
数値の最大値・最小値など、境界にあたる値で正しく動くかを確認します。「1〜100の入力が可能な項目に、0や101を入れたらどうなるか」などです。
4. 業務シナリオ
実際の業務フローで使ったときに問題ないかを確認します。「新規ユーザー登録→ログイン→商品購入→注文確認メール受信」のような一連の流れです。
IT現場ではどう使われるか
受け入れテストにおいては、発注者側がテストケースを用意することもあります。仕様書をもとに「自分たちが確認したいこと」を書き出し、それを使って確認します。
ただし、「何十項目もテストケースを作らなければならない」と気負う必要はありません。重要な機能・よく使う機能・リスクが高い操作を中心に確認項目を絞るのが現実的です。
開発チームが用意したテストケースをレビューする立場になることもあります。そのときは「業務シナリオ」の観点から「実際の使い方に合っているか」を確認するのが、非エンジニアやPMがレビューで貢献できるポイントです。
初心者がつまずきやすいポイント
テストケースを詳しく書きすぎてしまう
操作の一つひとつを細かく書きすぎると、テストケースの作成と管理に膨大な時間がかかります。目的に合った粒度で書くことが大切です。
正常系しか書かない
「うまくいく場合」だけ確認しても、問題が見つかりにくいです。異常系・境界値の確認が漏れると、本番環境で初めて問題が発覚します。
期待結果を書かない
「操作する」だけ書いて「どうなるべきか」を書いていないと、テストを実施しても合否の判断ができません。
テストケースとテスト仕様書を混同している
テストケースは個別の確認項目、テスト仕様書はテスト全体の計画や方針をまとめたものです。両方が必要なプロジェクトもあれば、テストケースだけで管理するプロジェクトもあります。
関連用語
- テスト仕様書:テスト全体の目的・スコープ・方針を定めた文書
- テスト観点:何に着目してテストするかの視点
- 境界値分析:入力値の最大・最小・ちょうど境目の値でテストする手法
- 同値分割:同じ動作をする入力値のグループを作り、代表値でテストする手法
さらに学ぶなら
テストケースの作り方と、テスト全体の考え方を学びたい方には、FEXシリーズのソフトウェアテスト入門講座がおすすめです。受入基準の考え方や、よくある観点漏れの防ぎ方も学べます。
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