「AWSを使ってシステムを構築します」「Azureに移行する予定です」。IT現場でよく聞くこれらの言葉の前提になるのが「クラウド」という概念です。
この記事では、クラウドとは何か、なぜ普及しているのかを、AWS・Azure・GCPの個別サービスに踏み込む前の基本知識として整理します。
この記事でわかること
- クラウドとは何か(シンプルな定義)
- クラウドがなぜ普及したのか
- クラウドのメリット・デメリット
- クラウドサービスの種類(IaaS・PaaS・SaaS)
- IT現場でのクラウドの使われ方
クラウドとは?
クラウド(クラウドコンピューティング)とは、インターネット経由でサーバー・ストレージ・データベース・ソフトウェアなどのITリソースを必要なときに必要なだけ利用できる仕組みのことです。
「クラウド(雲)」という名前は、ネットワーク図でインターネットを雲のマークで表していたことに由来します。
身近な例で考えると
電気を使うのと似ています。
電気を使いたければ、自分で発電機を購入・維持する必要はありません。電力会社と契約して、使った分だけ料金を払えば使えます。
クラウドも同じです。サーバーを自分で購入・設置・管理する代わりに、クラウド事業者が用意したサーバーをインターネット経由で借りて、使った分だけ料金を支払います。
「レンタル倉庫」にたとえることもあります。倉庫を自分で建てる(購入する)か、レンタル倉庫を借りるかの選択です。
クラウドが普及した理由
初期投資が不要 サーバーを購入するには数十万〜数千万円の費用がかかりますが、クラウドなら月額の利用料金から始められます。
すぐに使い始められる サーバーを注文・納品・設置するには時間がかかりますが、クラウドなら数分で環境を立ち上げられます。
使う量を柔軟に変えられる アクセスが増えたときはサーバーの性能を上げ、不要になったら削除するといった柔軟な調整ができます。
メンテナンスを事業者が担う ハードウェアの故障対応やOSのセキュリティパッチ適用などをクラウド事業者が行うため、運用負荷が下がります。
クラウドサービスの種類
SaaS(Software as a Service) ソフトウェアをインターネット経由で利用する形態です。GmailやSlack、Salesforceなどがこれにあたります。インストール不要で、ブラウザから使えます。
PaaS(Platform as a Service) アプリケーション開発のプラットフォームを提供する形態です。開発環境・データベース・ミドルウェアなどが含まれます。エンジニアが自分でアプリを開発して動かす場合に使います。
IaaS(Infrastructure as a Service) サーバー・ストレージ・ネットワークなどのインフラをクラウドで提供する形態です。仮想マシンをクラウド上に作る感覚に近く、AWSのEC2やAzureのVMがこれにあたります。
代表的なクラウドサービス
- AWS(Amazon Web Services):世界最大のシェアを持つAmazonのクラウドサービス
- Azure(Microsoft Azure):Microsoftのクラウドサービス。Officeとの親和性が高い
- GCP(Google Cloud Platform):Googleのクラウドサービス。AIや機械学習系に強み
これらはサービスの種類が非常に多いため、最初は「種類と用途の概要を把握すること」が大切です。
初心者がつまずきやすいポイント
「クラウド=安い」とは限らない 初期費用は安いですが、長期で大量利用すると自前サーバーより高くなることもあります。適切なコスト設計が重要です。
「クラウドに移行すれば管理が不要」ではない インフラのメンテナンスは減りますが、セキュリティ設定・権限管理・コスト管理は利用者側の責任です。
「クラウド=パブリッククラウド」とは限らない パブリッククラウド(AWS等)の他に、自社専用のプライベートクラウドや、両者を組み合わせたハイブリッドクラウドもあります。
IT現場ではどう使われるか
- スタートアップ・新規サービス開発での迅速な環境構築
- 既存システムのクラウド移行(クラウドリフト・シフト)
- ストレージとしての大量データ保管
- AIや機械学習のための計算リソース
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