複数案件を持つPMの週初め——何から確認すればいいでしょうか。
すべての案件の詳細を追いかけようとすると、月曜日だけで一日かかります。かといって何も確認しないと、どこかで問題が起きていても気づけない。複数案件管理で難しいのは、「全部を詳しく追うことはできない」という制約の中で、何が危ないかを見逃さないことです。
この記事では、複数案件を兼務するPMが週次で行う棚卸しの観点と進め方を整理します。単一案件の週次KPIではなく、複数案件を横断してリスクを見るための棚卸しです。
複数案件では詳細より危険度を見る
単一案件では「進捗の細部まで把握する」ことができます。でも複数案件になると、それは物理的に不可能です。
複数案件を持つPMに必要な観点の切り替えは、「詳細把握」から「危険度の検知」への移行です。「全案件で何が起きているか」を追うのではなく、「今週特に注目が必要な案件はどれか」を特定することが目的になります。
週次棚卸しは、この「注目すべき案件の特定」をするためのルーティンです。
棚卸し1:進捗差分
「先週から何が変わったか」を案件ごとに30秒で確認します。詳細ではなく差分を見ます。
確認するのは次の2点だけです。
- 先週の予定通りに進んでいるか(YES/NO)
- 遅れている場合は原因の見当がついているか
「進んでいる」案件はそのまま。「遅れている」案件だけ次のステップで詳細確認します。全案件を均等に確認するのではなく、問題がある案件にフォーカスする時間配分が現実的です。
棚卸し2:未解決課題
各案件の課題一覧を確認し、「先週から変わっていない課題」を抽出します。
1週間以上更新がない課題が増えていれば、それは停滞のサインです。「担当者が動けていない」「顧客確認待ちで止まっている」「優先度が下がって放置されている」など、原因によって対応が変わります。
確認の観点は「課題が動いているか」の一点です。件数より更新頻度を見ます。
棚卸し3:顧客温度感
各案件の顧客との関係を感覚的に評価します。「熱い(何かが起きている)」「普通(問題なし)」「冷たい(接触が減っている)」という3段階で十分です。
顧客から連絡が来ていない案件は要注意です。「問題がないから連絡がない」と「不満があって連絡を絶っている」を区別するために、週次で「最後に顧客と話したのはいつか」を確認します。
1週間以上接触がない案件があれば、能動的に連絡を取るタイミングです。
棚卸し4:体制負荷
メンバーの稼働状況を案件横断で確認します。特に注意が必要なのは、複数案件に跨って稼働しているメンバーです。
「〇〇さんは今週A案件とB案件で対応が重なっていないか」という視点です。稼働が集中しているメンバーがいれば、どちらかの案件で遅延が出る予兆になります。
チームの体制が崩れてきたとき、最初にサインが出るのは個人の稼働過多です。
次週の重点案件を決める
棚卸しの最後に、「今週特にフォローが必要な案件」を1〜2本決めます。
全部を均等にフォローしようとすると、重点がぼけます。「この案件は今週PMが直接動く必要がある」という判断を週初めにしておくことで、時間配分が明確になります。
重点案件の選び方は、「放置すると翌週に顕在化しそうな問題がある案件」です。逆に、問題がない案件は今週の対応を最小化してよいです。
まとめ
複数案件を持つPMの週次棚卸しは、全案件を詳しく追うことではなく、「進捗差分・未解決課題・顧客温度感・体制負荷」の4点を横断して確認し、重点案件を決めることです。
この棚卸しを週15〜20分で習慣化できれば、「気づいたら案件が火を噴いていた」という事態を防ぎやすくなります。
複数案件管理や受託開発PM実務を学びたい方は、受託開発PM向けの課題別パックや法人向けPM育成ページをご覧ください。