「A機能は90%完了しています」——この報告を3週間連続で聞いたことはないでしょうか。
90%が動かない。この現象はプロジェクト界隈では半ば笑い話のように語られますが、実際に直面しているPMにとっては笑えない話です。進捗率という数字がある以上、それを信じたい気持ちもある。でも何かがおかしいと感じている。
この記事では、進捗率に違和感があるときにPMが確認すべき4つの観点を整理します。担当者を責めるのではなく、実態を把握するための確認方法として使ってください。
進捗率だけでは実態が見えない理由
進捗率は「完成まであとどれくらいか」という主観的な見積もりに依存しています。担当者が「70%できた」と感じていても、その残り30%に予想外の複雑さが潜んでいることがあります。
もうひとつの問題は、進捗率が「作業量の消化」と「品質の確保」を区別しないことです。コードを書き終えていても、レビューで指摘が30件あり、テストが通っていなければ、それは実態として「完成」ではありません。
PMが確認すべきなのは「進捗率の数字が正確かどうか」ではなく、**「今この瞬間、どこまで使えるものが存在しているか」**です。そのためには数字ではなく成果物を見ます。
確認1:実際にできている成果物
最初に確認するのは「今日時点で存在している成果物」です。具体的には次を見ます。
- 設計書・仕様書が実際に書かれているか(ドラフトか、承認済みか)
- コードが書かれているか(動作確認済みか、テスト未対応か)
- 画面が実際に動くか(開発環境で確認できるか)
「〇〇の実装が70%終わっています」ではなく「今日時点で見せてもらえるものがあるか」を問いかけます。見せてもらえる成果物があれば、そこから残タスクの議論ができます。
確認2:レビュー済みかどうか
成果物があっても、レビューが通っていなければ完成とは言えません。確認するのは次の3点です。
- 設計書は誰かがレビューしたか(PMO・リーダー・顧客)
- コードレビューは完了しているか
- 指摘は全件対応済みか、残っているものはいくつか
「レビュー中」の状態がどれくらい続いているかも確認してください。2週間同じ指摘が残り続けているなら、そこに問題があります。
確認3:未解決指摘の有無
レビューが済んでいても、指摘対応が終わっていない場合があります。特に確認が必要なのは次のパターンです。
- 「あとで対応」とラベルされているが実際には何も動いていない
- 指摘の優先度が下げられて実質放置されている
- 指摘件数が増えているにもかかわらず完了件数が増えていない
未解決指摘の合計件数と、前週からの増減を確認するだけで、品質の実態がかなり見えてきます。
確認4:顧客確認待ち
進捗が止まっている原因の一つに「顧客確認待ち」があります。担当者がやることをやっているのに、顧客側の判断が返ってこないために前に進めない状態です。
この状態は担当者の進捗報告には反映されにくいため、PMが意識的に拾う必要があります。
- 顧客確認待ちのチケットがいくつあるか
- 最も古い確認待ちはいつ起票されたか
- 確認待ちをPMが督促できているか
確認待ちを放置すると「なぜ進んでいないか」の原因が見えにくくなります。
進捗報告を成果物ベースに変える
毎週の進捗会議で「〇〇は何%ですか」という質問をやめることをおすすめします。代わりに次のような問いかけに変えてみてください。
- 「今週、何が完成しましたか(レビュー済みのもの)」
- 「今週、新しく起票された指摘はいくつですか」
- 「今週、顧客確認待ちになったものは何ですか」
この3つを週次で確認するだけで、「90%完了が3週間続く」状態を早期に察知できるようになります。担当者にとっても「何を報告すればいいか」が明確になります。
まとめ
進捗率に違和感があったとき、それは担当者を疑うサインではなく、確認方法を変えるサインです。
成果物・レビュー状況・未解決指摘・顧客確認待ちの4点を見るだけで、数字の裏にある実態が見えてきます。週次でこの4点を確認するルーティンを作れば、プロジェクト後半で「実は全然進んでいなかった」という事態を防ぎやすくなります。
進捗確認の聞き方例
「進捗率はどれくらいですか?」の代わりに、以下の聞き方が実態把握につながります。
- 「今週、完成してレビューを通ったものは何ですか?」
- 「残っている未解決の指摘はいくつありますか?」
- 「顧客確認待ちになっているものが止まっていないか確認させてください」
「何%進みましたか」より「何が完成しましたか」という問いに変えることで、数字でなく事実を確認できます。
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