「AIに案件データを入れて赤字リスクを出してくれ」と言われて困っているPMは、結構多いはずです。
AIは赤字リスクを当てる魔法のツールではありません。が、PMが自分では気づきにくいリスク観点を引き出す相棒としては、十分に役に立ちます。
本記事では、AIをリスク分析の補助として使う実務手順と、機密情報・顧客情報の扱いの注意点を整理します。
AIに「赤字を予測させる」のは間違い
PMがやってしまいがちな失敗が、AIに案件データを入れて「赤字になるか教えて」と聞くことです。
これでは、AIは確率論的な答えを返すだけで、案件特有の事情を踏まえた回答にはなりません。
AIの正しい使い方は、PMが気づいていない観点を引き出すための問いかけツールとして扱うことです。
AIを活用する4ステップ
ステップ1:案件の状態を整理して入力する
AIに渡すのは、生の案件データではなく、PM自身が整理した案件サマリーです。
- 案件規模・期間・契約形態
- 現在の進捗率と工数消化率
- 未確定要件の件数と滞留日数
- 変更要望の件数と請求/吸収の区分
- 顧客確認待ちの件数と平均日数
- レビュー指摘・テスト指摘の件数推移
- メンバーの稼働状況
これらをA4一枚にまとめてから入力します。生データを丸ごと渡しても、AIは判断材料を取り出せません。
ステップ2:観点別にリスクを引き出す質問をする
「赤字リスクを教えて」ではなく、観点別に質問します。
- 工数膨張の兆候は何ですか
- 変更管理が機能していないサインは何ですか
- 顧客合意が崩れる予兆は何ですか
- メンバー離脱リスクのサインは何ですか
- 検収段階で揉めそうな箇所は何ですか
観点を切ると、AIは具体的な観点を返しやすくなります。
ステップ3:AIが出した観点をPMの判断で取捨選択する
AIが出してきた観点には、的を射ているものと外れているものが混在します。
判断はPMの仕事であり、AIに任せない。
「これは確かに見落としていた」「これは案件特有でAIが想定できていない」を仕分けます。
ステップ4:観点を上長レビューに持ち込む
AIで引き出した観点のうち、自分で判断しきれないもの、上長判断が必要なものを、週次レビューに持ち込みます。
AIの出力をそのまま会議資料にしないでください。PMが自分の言葉で再構成してから持ち込みます。
機密情報・顧客情報の扱いの注意
AIにリスク分析を手伝わせる際、以下は絶対に守ってください。
- 顧客名・契約金額・案件固有の固有情報をそのまま入力しない
- エンドユーザーの個人情報・取引データを入力しない
- 会社のAI利用ルール・情報管理ルールを必ず確認する
- 無料の外部AIサービスに業務情報を入力する場合は、ログ・学習の有無を確認する
サマリー入力では、顧客名は「A社」、金額は「数千万円規模」など、抽象化したうえで入力します。
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