「顧客定例に同席していいですよ」と言われたとき、「何を見ればいいのか」が分からないままとりあえず参加して、議事録を書いただけで終わった——PM候補として経験を積もうとしているのに、もったいない過ごし方になってしまうことがあります。
顧客定例への同席は、PMの仕事の「核心」を見る最も効率的な機会のひとつです。
顧客定例への同席は学習機会になる
担当エンジニアやPLとして作業をしているだけでは見えない場面が、顧客定例にはあります。
- PMが顧客の懸念をどう捉えているか
- 合意できていない部分をどう扱うか
- 顧客の温度感をどう読んでいるか
- 議論を決定に変えるためにどんな言葉を使っているか
これらは場数を踏まないと身につかないスキルですが、観察するポイントを知っているかどうかで、同席1回から得られる学びが大きく変わります。
見るべき観点1:PMが何を確認しているか
顧客定例でPMが何を聞いているかを観察します。
単なる進捗確認だけしているのか、それとも未決事項・懸念・次のアクションを引き出そうとしているのか。PMが会議前に準備してきたであろう確認事項と、実際の会議の流れを照らし合わせることで、「なぜその質問が必要だったのか」が見えてきます。
会議後にPMに「なぜあのタイミングであの質問をしたんですか?」と聞けると、さらに学びが深まります。
見るべき観点2:顧客の懸念
顧客が発言している内容だけでなく、「この人が本当に気にしていることは何か」を読む練習をします。
例えば、顧客が「そこは大丈夫ですか?」と繰り返し確認していたとしたら、そこに不安があるということです。PMが「はい、問題ありません」と答えて場が収まっているように見えても、顧客の表情や次の発言で「本当に安心しているか」が分かることがあります。
具体的な場面で言えば、「テストは十分にできていますか?」と同じ趣旨の質問を顧客が3回繰り返したとき、PMが毎回同じ回答をするなら、顧客はまだ納得していないサインです。そのPMが会議後にどんなフォローアップをするかを観察することが、「温度感を読む」練習になります。
この「顧客の温度感を読む」練習を同席しながらすることが、PM候補にとって最も価値ある学習のひとつです。
見るべき観点3:決定事項と未決事項
会議の中で「何が決まったか」「何がまだ決まっていないか」をリアルタイムで整理する練習をします。
議事録を書く立場であれば、「決定事項」「未決事項」「宿題」を会議中に頭の中で分けながら聞くことになります。これが自然にできるようになると、議事録の質が上がるだけでなく、「この会議は何を決めるための場か」という会議の構造が見えるようになります。
会議後に振り返る質問
同席が終わったあと、以下のことを自分なりに考えてみましょう。
- 「今日の会議で何が決まりましたか?」を自分で言えるか
- 「顧客が一番気にしていたのは何か」を言えるか
- 「次回までにPMがやるべきことは何か」を言えるか
これをPMに確認してもらうと、自分の観察がどれだけ正確だったかが分かります。ズレがあれば、次回の同席で確かめる観点が明確になります。
まとめ
顧客定例への同席を学習機会にするための観察観点を整理しました。
- PMが何を確認しているかを見る
- 顧客の発言の裏にある懸念を読む
- 決定事項と未決事項をリアルタイムで整理する
- 会議後に「今日の会議で何が決まったか」を自分で言えるか確認する
議事録を書くだけで終わらせず、PMの動き方を「観察する目」を持って同席することで、実務経験が格段に深くなります。
観察メモシート(同席中に使う)
| PMが確認していたこと | 顧客が気にしていたこと | 決定・未決の区別 |
|---|---|---|
| (例)リリース日の再確認 | (例)来月のデモに間に合うか | 決定:Aフェーズは来月末リリース |
会議後にPMと照合することで「観察の精度」を確認できます。
PM候補として体系的に学びたい方はこちらもどうぞ。