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ITエンジニアのビジネススキル

技術負債をビジネス側に説明する方法

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技術負債をビジネス側に説明する方法

技術負債が伝わりにくい理由

「リファクタリングをしたい」「コードの品質が問題だ」と伝えても、PMやビジネス側が動かないことがある。

技術負債という概念はエンジニアには自明でも、ビジネス側には「技術者がきれいにしたいだけ」に見えることがある。

伝わらない原因は、技術的な正しさをそのまま話しているからだ。ビジネス側が判断できる言葉に変換する必要がある。

技術用語を事業影響に変換する

技術負債を説明するときに使うフレームは3つだ。

影響1:保守コスト

「コードが複雑でバグの原因特定に時間がかかる」を「1件の障害対応に通常の3倍の時間がかかっています。この先も同様の工数が続く見込みです」に変える。

エンジニアの稼働時間は費用だ。時間が増えればコストが増える。

影響2:障害リスク

「テストが書かれていないので変更の影響が確認できない」を「現状、Aを変更するたびにBとCで想定外の動作が起きるリスクがあります。今年に入って発生した6件の障害のうち、4件が技術負債に起因していると考えています」に変える。

実際の障害件数や影響があれば数字を入れる。件数が把握できない場合は「直近3ヶ月で複数回」など期間で表現してもよい。

影響3:開発速度

「構造が古くて機能追加しにくい」を「現在の構造では新機能Xの追加に3ヶ月かかる見込みです。構造を整備すれば同じ機能が1ヶ月で実装できます」に変える。

開発速度は事業スピードに直結する。PMが理解しやすい言葉だ。

改善提案の出し方

「リファクタリングしたい」ではなく、「改善すると何がどう変わるか」を一緒に提示する。

課題:Aモジュールの技術負債により、月次での障害発生が増加しています。
現状コスト:1件あたりの対応工数が通常の2〜3倍になっています。
改善案:Aのリファクタリング(工数:2週間)
改善後:同種の障害対応時間が半減する見込み。新機能Bの追加工数も1週間短縮できます。
依頼:来期のロードマップに組み込む判断をお願いしたいです。

数字が使えるなら使う。推測でも「〜の見込み」として出す方が説得力がある。

技術用語をビジネス言葉に変換する表

技術的な言い方ビジネス側への言い換え
「リファクタリングが必要です」「この構造のままだと、機能追加のたびに確認範囲が広がり、1回あたりの改修工数が増えます」
「テストが書かれていません」「変更のたびに手動確認が必要なため、今後の修正コストが増え続けます」
「コードの品質が低いです」「バグ調査に時間がかかる状態で、1件の障害対応に通常の2〜3倍の時間がかかっています」
「依存ライブラリが古いです」「来期のセキュリティ要件に対応するために、早めに更新しておかないと追加工数が発生します」
「設計が複雑すぎます」「今の構造では新機能Xの追加に3週間かかります。整備すれば1週間で実装できます」

目的は承認ではなく、判断材料を渡すこと

技術負債の説明は、PMやビジネス側に「やるかどうか」を決めてもらうための話だ。

技術的な正しさを主張するのではなく、判断材料を渡すことに徹すると、会話が噛み合いやすくなる。