要件の背景を聞くと実装判断が変わる
「仕様書に書いてあることをそのまま作る」という動き方は、実は多くの現場でリスクになっている。
仕様書に書かれた内容が常に最適解とは限らず、背景や目的を知っていれば別の実装判断ができることがある。「なぜこれが必要か」を知っているエンジニアとそうでないエンジニアでは、開発中の判断精度が変わる。
質問1:誰の何を解決するのか
「この機能は主に誰が使いますか?どんな問題を解決するためのものですか?」
利用者と課題が分かると、UIや処理の優先度の判断が変わる。管理者向けの機能か、一般ユーザー向けかでも実装方針が違う。
質問2:なぜ今必要なのか
「このタイミングでこの機能が必要になった背景を教えていただけますか?」
背景を知ることで、最小限の実装で価値を出せるか、本格的な設計が必要かの判断ができる。緊急性が高い場合は暫定対応を提案できる。
質問3:優先順位は何か
「この機能の中で、必ず今回入れないといけないものと、後でもよいものはどれですか?」
一度に全部作ろうとすると工数が膨らみ、スケジュールが崩れる。MVPを絞る判断は、背景を知った上でしか提案できない。
質問4:制約は何か
「期限や予算以外に、使えるシステムや連携先に制約はありますか?」
既存システムとの連携・データの持ち方・セキュリティ要件など、聞いていないと後で手戻りになる制約が潜んでいることが多い。
PMへ確認するタイミング
顧客への直接確認は、PMや上流担当者のコントロール下で行う場面が多い。
「これは確認してよい範囲か」をPMに確認してから動くことで、顧客との接点を整理できる。確認の内容とその結果はPMと共有することで、情報を一元管理できる。
「Aの要件について背景を確認したいのですが、顧客に直接確認してよいですか?それともPM経由がよいでしょうか?」
要件定義全体に広げなくていい
「要件の背景を聞く」というのは、要件定義全体をエンジニアがやる、という話ではない。
担当しているタスクの範囲で「なぜこれをやるのか」を理解して動くことで、実装の精度が上がる。それだけで十分な価値がある。