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法人向けPM育成

受託開発会社のPM不足を採用だけで解決できない理由|構造改善から始める育成戦略

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受託開発会社のPM不足を採用だけで解決できない理由|構造改善から始める育成戦略

「PM経験者を採用したのに、期待通りに動いてくれない」「採用してすぐに辞めてしまう」——受託開発会社の経営者から、こうした声を聞く機会が増えています。PM不足を採用で解決しようとするアプローチに問題があります。

採用で解決できるのは「頭数の不足」だけです。「任せられる仕組みの不足」は採用では解決しません。本記事では、採用強化がPM不足の根本解決にならない理由と、育成側からのアプローチを整理します。

なぜ採用でPM不足は解決しないのか

受託開発会社のPM不足は、表面的には「PMの数が足りない」という問題に見えます。しかし掘り下げると、「PMを機能させる環境がない」という問題であることがほとんどです。

経験のあるPMを採用しても、前職とは異なる進め方・判断基準・報告ルートに直面し、「何が正解か分からない」状態に陥ります。案件管理の標準がなく、客先への報告・見積・リスク判断のすべてを個人の経験則で乗り越えなければならない環境では、経験者でも消耗します。

一方、若手PM候補の育成を諦めて中途採用に頼る会社は、毎回採用コストと教育コストをかけ直す非効率な循環に入ります。しかも市場では即戦力PMの採用競争が激しく、採用できても定着させるのが難しい。

採用は「問題の先送り」に使われていないか、立ち止まって確認する必要があります。

よくある失敗パターン

採用強化でPM不足を解決しようとした会社に共通する失敗パターンがあります。

採用後のオンボーディング不足:「経験者なのだから自走できるはず」という前提で、案件に放り込む。前職の進め方を持ち込んでも受け入れられず、3か月で「合わない」となる。

期待値の不一致:「PMとして採用したはずなのに、実態は雑用担当」「顧客折衝を想定していたが、内部調整ばかり」という乖離が起きる。採用時に「PMとして何をやるか」が曖昧だったことが原因。

既存文化との衝突:標準プロセスのない組織に、プロセス志向のPMが入ると摩擦が生じる。「そんなに管理しなくても案件は回る」という現場の抵抗に遭い、孤立する。

放置すると起きること

採用でPM不足を繰り返し解決しようとすると、以下の問題が累積します。

採用コストが恒常的に発生し、利益を圧迫します。採用費・人材紹介手数料・入社後の教育期間のロスを積み上げると、1人当たり100万円以上のコストになることも珍しくありません。

また、「会社がPMの使い捨てをしている」という評判が広まり、採用市場での評価が下がります。PM候補の応募数が減り、採用難が加速する悪循環に入ります。

さらに根本的には、「任せられる仕組みがない」という課題は解消されないため、社長・CTO・上位PMへの判断集中が続き、組織の成長に上限ができます。

最初に整えるべきこと

採用の前に、自社のPMが機能するための環境を整えることが先決です。

具体的には3点あります。

1. PM業務の定義書の作成:「うちの会社でPMは何をする人か」を1枚にまとめます。顧客折衝の範囲、見積の権限、報告の頻度と形式、リスク判断の基準——これを書き出すだけで、入社者が自分で動ける環境が整います。

2. 受け入れ体制の整備:新しいPMが入社後3か月で「自分の判断で動ける状態」になるためのオンボーディング設計です。案件の観察期間・小規模案件での実践・上位PMとの週1回の壁打ちなどを組み合わせます。

3. 内部PM候補の育成再設計:採用と並行して、現在いるエンジニアやPL経験者の中からPM候補を育てる仕組みを作ります。外部採用に頼り続けるより、内部育成のほうが定着率も高く、会社文化との適合性も高いです。

具体的な改善ステップ

まず「採用を止める」ではなく、「採用と育成を並走させる」発想に切り替えます。

ステップ1(1か月以内):現在のPMが「何に時間を使い、どの判断を自分でしているか」を聞き取りする。これが「PM業務の実態」であり、採用条件・育成方針の両方の出発点になります。

ステップ2(2〜3か月以内):PM業務の定義書を1枚作成する。完璧でなくていい。現場で使いながら更新できる形で作ることが重要です。

ステップ3(3か月以降):内部のPM候補1〜2名に対して、定義書をベースにした段階的な権限委譲を始める。同時に、採用活動では「定義書に示したPM像」を求人に明記する。

社内で確認したいチェックリスト

採用依存の構造になっていないか、確認してください。

  • 「うちのPMがやる仕事」を書面で説明できる
  • 新しいPMが入社後3か月で自分の判断で動けるオンボーディングがある
  • 内部のPM候補に対して段階的な権限委譲の仕組みがある
  • PM採用の定着率(3年以内の離職率)を把握している
  • 採用コスト(手数料・教育ロス期間)を年次で集計している

2つ以上「いいえ」なら、採用を強化する前に育成環境の整備を優先すべき状態です。

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まとめ

PM不足の根本は、PMが機能する環境の不在です。採用で頭数を増やしても、環境が整っていなければ同じ問題が繰り返されます。PM業務の定義・受け入れ体制・内部育成の3点を整えることで、採用の効果も初めて発揮されます。

自社のPM育成課題を確認したい場合は、PM組織健康診断 で現状を整理できます。

社内でPM育成を始める流れを確認したい場合は、PM育成ガイド も参考にしてください。

実案件を題材にPM候補を育てたい場合は、PM育成支援について見る からご相談ください。