「課題一覧に200件あるんですが、どこから手をつければいいか…」
こういう状況に陥ったPMから相談を受けることがあります。数ヶ月前に50件だったものが、気づいたら4倍になっている。定例で全件確認しようとすると1時間では終わらない。重要な課題がどれかも分からなくなっている。
課題一覧は「増えやすく、減りにくい」という性質を持っています。意識的に棚卸しをしないかぎり、そのまま肥大化し続けます。この記事では、課題一覧が増えすぎたときに行う棚卸し会の進め方と、その後の運用ルールを整理します。
課題一覧が増えすぎると何が起きるか
一見すると「課題が多いのは管理が細かい証拠」のように見えますが、実態は逆です。
数が多くなるほど全体を把握しにくくなり、本当に重要な課題が埋もれます。担当者も「どうせ誰も見ていない」と感じてくると、新しい課題を起票しなくなります。使われない課題管理表の完成です。
定例会でも弊害が出ます。全件確認するのが形骸化し、担当者が自分の担当分だけ読み上げる場になる。そうなると「プロジェクト全体で今何が問題か」という視点が失われていきます。
棚卸し会の目的
棚卸し会の目的は「課題を削ること」ではありません。使える課題管理表に戻すことです。
そのために行うのは次の2つです。
- 各課題を適切な状態に分類する
- 今後の運用ルールを合意する
「全部処理しよう」とすると会議が長引き、消耗します。目的を絞っておくと進行がシンプルになります。
棚卸し会での分類基準
課題を5つの状態に分類します。この分類自体をチーム全員で行うことが、棚卸し会の本質です。
継続:引き続き対応が必要な課題
担当者が決まっており、現在進行中の課題です。進捗が見えているか確認し、次のアクションを確認します。何も変わっていない場合は「なぜ進んでいないか」を確認します。
完了:対応が終わった課題
クローズされていないまま残っている完了済みの課題です。完了条件を確認してクローズします。意外と多いのがこのパターンで、棚卸しのたびに一定数発見されます。
保留:今すぐ対応しない課題
重要度が低い、または外部要因待ちの課題です。再確認の時期を決めておきます。「保留」のまま放置すると「継続」と区別がつかなくなるため、「〇月末に再確認」という条件を付けます。
統合:重複・類似している課題
同じ内容や原因が重なっている課題です。似たものをひとつにまとめます。特に複数フェーズにまたがるプロジェクトでは、課題が重複して登録されていることがよくあります。
削除:不要になった課題
仕様変更やプロジェクト方針の変更で対応不要になった課題です。議事録に「削除理由」を残した上でクローズします。「なぜ削除したか」の根拠があると、後で「あの件どうなった?」という問い合わせに即答できます。
棚卸し会の進め方
事前準備
- 全件をエクスポートして参加者に共有する
- 「担当者未設定」「1ヶ月以上更新なし」「ステータスが進行中のまま3週間以上」の課題をフィルタリングして先に確認リストを作る
- 1時間以内で終わる件数を目安にして、全件一気にやろうとしない
進行手順
- 担当者が自分の課題を「継続・完了・保留・統合・削除」で仕分ける(10〜15分)
- PMがピックアップした課題を全員で確認する(担当者未設定、長期塩漬け等)
- クローズできるものはその場でクローズする
- 次回棚卸しの時期を決める(月次が多い)
棚卸し後の運用ルール
棚卸しをした後の運用ルールを合意しないと、また同じ状態に戻ります。最低限決めておくべきことは次の3点です。
新規起票の基準 — チケットに残すべき課題の粒度を決める。何でも起票するのではなく、「対応が必要なもの」に絞ります。
更新の頻度 — 週次定例で確認する件数の上限を決める。「上位10件だけ定例で話す」「30日更新なしの課題はPMが判断する」などのルールが機能しやすいです。
棚卸しの頻度 — 月次か四半期に1回の棚卸し会を定例化します。フェーズ切替のタイミングに合わせると自然に実施しやすくなります。
まとめ
課題一覧の肥大化は、管理が細かくなった証拠ではなく、「入口は広く、出口は狭い」状態が続いた結果です。棚卸しをしないかぎり自然には減りません。
5分類と運用ルールをセットで持っておけば、週次定例の時間が短くなり、重要な課題だけに集中できるようになります。
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