会議後に議事録から課題を起票する作業は、PMが忙しいほど後回しになりがちです。AIを使えばこの作業を速くできますが、「AIが抽出したものをそのまま課題管理表に入れる」という使い方では問題が起きます。
課題・ToDo・リスクの混在、重要な未決事項の脱落、機密性の高い発言がそのまま課題名に入る──これらはAIが意図していない問題ですが、ルールなしに使うと起きます。
AIは課題候補の抽出に使う
AIへの指示で最初に明確にすべきなのは、「課題一覧を作る」のではなく「課題の候補を出す」という目的です。
AIは議事録の中から、課題・懸念・決定事項・ToDoが混在した発言を拾い出せます。ただし、それが「本当の課題なのか」「誰が対応すべきなのか」「優先度はどの程度か」はAIには判断できません。
候補を出してもらい、PMが取捨選択するという役割分担が正しい使い方です。
抽出前に分類ルールを決める
AIへ指示する前に、以下の分類を自分で決めておきます。
- 課題:解決策が未確定で、検討や合意が必要なもの
- ToDo:担当者と実施内容が決まっており、実行を待つだけのもの
- リスク:まだ発生していないが、将来問題になる可能性があるもの
- 決定事項:会議で合意・確定した内容(記録として残すが課題ではない)
この4分類をAIへの指示に含めると、出力の整理精度が上がります。
指示例:
以下の議事録から、課題・ToDo・リスクの候補を抽出してください。
分類ルール:
- 課題:解決策未確定で、検討や確認が必要なもの
- ToDo:担当者が決まっており、実行待ちのタスク
- リスク:まだ発生していないが、将来問題になる可能性
- 決定事項:課題ではないが記録が必要なもの
不明な場合は「未分類」として抽出してください。
機密情報(顧客名・個人名は「A社」「担当者X」に置換してください)。
「未分類」のバケツと「匿名化の指示」がポイントです。AIが判断できない場合の逃げ場と、機密情報の扱いを事前に設定します。
課題・ToDo・リスクを分ける
AIが出力した候補は、PMがレビューして分類を確定します。
確認するポイント:
- ToDoと課題が混在していないか(担当者と期日が決まっているものはToDo)
- リスクが課題として分類されていないか(まだ起きていないものはリスク)
- 「〇〇を確認する」という記述は課題かToDoか(確認の必要性が不明な場合は課題)
AIは「確認が必要」という文脈を課題として拾う傾向があります。具体的な担当者と期日がセットになっているものはToDoへ移す判断を、PMが行います。
AI抽出後にPMが確認すること
AIが出した候補リストと、元の議事録を見比べて以下を確認します。
- 重要な未決事項が漏れていないか:発言として記録されていても、AIが「結論が出た話題」と判断して抜かした可能性があります
- 参加者の誰かへの宿題が「課題」ではなく「発言」として流れていないか:「〇〇さん、後で確認してもらえますか」という発言は課題として起票が必要です
- 優先度が高い内容が後ろの方に埋まっていないか:AIは時系列順に出すため、重要性の順番ではありません
議事録を書いた人(または会議に出た人)が目を通すことで、抽出漏れを確認できます。AIを使う場合でも、確認の目は省けません。
課題管理表へ転記する前のチェック
AIの候補リストを課題管理表へ入れる前に、以下の項目を確認します。
- 課題・ToDo・リスクの分類が確定しているか
- 担当者(未定の場合は「確認中」と記載)が書かれているか
- 対応期日または確認期日が設定されているか
- クローズ条件(どうなったら解決済みか)が分かるか
- 顧客名・個人情報などの機密情報が除かれているか
転記時に不足している項目を「未定」「要確認」として残しておくことが重要です。空白のまま放置すると、後で誰も追いかけない課題が増えます。
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