【実体験】PM転職で後悔する人の共通点とは?元製造業→事業責任者の私が語る後悔しないためのキャリア戦略の要点

「PM(プロジェクトマネージャー)に転職して、本当に後悔しないだろうか…?」

もしあなたが今、キャリアの岐路に立ち、こんな不安を抱えているなら、この記事はまさにあなたのために書きました。

輝かしい理想とは裏腹に、待っていたのは終わらない「調整地獄」と「上司と開発の板挟み」。キャリアアップのはずが、気づけば疲弊しきっている。

あるいは、「マネジメント経験がない」「自分は非エンジニアだから…」という技術コンプレックスが壁となり、挑戦する前から諦めかけている。

大丈夫です。その痛み、その障壁、痛いほどよく分かります。

なぜなら、かく言う私も、PMとしての最初の転職で大きな失敗をしたからです。肩書きと給与に惹かれて飛び込んだ先は、裁量権のない単なる「調整屋」。心が折れかける寸前でした。

しかし、その失敗と、大手鉄鋼メーカーの製造現場からITエンジニア、PM、そして事業責任者へと歩んだ回り道だらけのキャリアが、明確な答えを教えてくれました。

PM転職で後悔する人には、驚くほどハッキリとした「共通点」があるのです。

この記事では、小手先の転職テクニックではありません。あなたのキャリアを根本から見つめ直し、後悔しないための「失敗の確率を下げるキャリア戦略」の要点をお伝えします。

後悔するPMに共通する、3つの致命的な「視点の欠落」

なぜ、多くの人がPMへの転職で理想と現実のギャップに苦しむのでしょうか。私の経験上、後悔する人たちには、多くの場合、以下の共通点が見られます。

共通点1:「What(何をするか)」しか見ていない

彼らは「PMの業務内容」や「利用技術」といった「What(何をするか)」にばかり気を取られています。しかし、本当に重要なのはそこではありません。

  • Why: なぜ、その事業・プロダクトは世の中に必要なのか?
  • Who: 誰と、どんなカルチャーのチームで働くのか?

この「Why」と「Who」の視点が抜け落ちていると、いくら立派な肩書きを得ても、事業への共感が持てず、ただの「調整屋」として消費されるだけの存在になってしまいます。

共通点2:「スキル」を「経験」と勘違いしている

PMPの資格、アジャイル開発のフレームワーク知識…。これらは確かに有用な「スキル」です。しかし、多くの人は、この「スキル」を現場で求められる「経験」と勘違いしています。

現場が本当に求めているのは、理論を知っていることではありません。予期せぬトラブル、顧客からの無理難題、チーム内の対立といった「修羅場」を乗り越え、プロジェクトを前に進めてきた生々しい「経験」なのです。このギャップに気づかず転職すると、「理論は知っているのに、現場が全く動かせない」という現実に打ちのめされることになります。

共通点3:「会社の看板」に依存している

「あの有名なサービスの会社だから」「大手だから安定しているだろう」。この「会社の看板」への依存も、転職失敗の典型的なパターンです。

会社のブランドと、あなたがPMとして活躍できる環境は、全くの別問題です。看板の裏に隠された、硬直化した組織文化や、PMに裁量権がないという現実に、入社してから気づいても後悔につながりかねません。

なぜ、私が見抜けたのか?回り道だらけのキャリアがくれた「武器」

では、なぜ私がこれらの共通点に気づき、乗り越えることができたのか。それは、私の稀有なキャリアパスそのものが答えでした。

製造業の現場が教えてくれた「Why」の重要性

私がキャリアをスタートさせたのは、ITとは無縁の大手鉄鋼メーカーの製造現場でした。そこでの仕事は、まさに泥臭い顧客との向き合いの連続。

この製造現場で泥臭く顧客と向き合った経験があったからこそ、「Why(なぜ、この製品が必要なのか)」の重要性に気づけました。仕様書通りにモノを作るだけでなく、顧客が抱える「生産ラインが止まる痛み」を解決するために何ができるかを考え抜いた経験。これは、非エンジニアだった私にとって、後にIT業界で戦うための大きな武器になったのです。

あなたの「技術コンプレックス」は、見方を変えれば、顧客の痛みに誰よりも寄り添えるという強みになります。

エンジニアからの転身が痛感させた「経験」の価値

その後ITエンジニアに転身し、コードを書く側から管理する側(PM)になった時、理論だけでは現場が動かないことを痛感しました。PMBOKの知識を振りかざしても、疲弊したエンジニアの心には響きません。

プロジェクトが大炎上し、私がチームを崩壊させかけた苦い失敗。その中で学んだのは、本当の武器は綺麗な「スキル」ではなく、失敗から得た「経験」を自分の言葉で語れることでした。この経験こそが、エンジニアが直面する「マネジメントの壁」を乗り越える鍵だったのです。

後悔しないPM転職へ。今日から始める3つのキャリア戦略

お待たせしました。ここからは、あなたがPM転職で失敗しないための、具体的な「処方箋」です。

ステップ1:「ペイン解決者」としての自分を定義する

まず、あなた自身の棚卸しをします。ただし、単なる職務経歴の書き出しではありません。

「あなたは、誰の、どんな痛みを解決してきましたか?」

この質問に、徹底的に向き合ってください。
例えば、私が鉄鋼メーカーで培ったのは「納期調整」というスキルではありません。「生産ラインが止まるという顧客の痛み」を、関係各所を巻き込んで解決してきた「経験」です。

このように、あなたの経験を「ペイン解決の物語」として「言語化」すること。これこそが、マネジメント未経験からの転職や、異業種からの挑戦を可能にする非常に重要な鍵です。

ステップ2:企業の「事業フェーズ」と「カルチャー」を見極める

あなたが感じている「調整地獄」は、あなたのスキル不足ではなく、企業の構造的な問題である場合がほとんどです。だからこそ、企業選びの軸を根本から変える必要があります。

見るべきは、企業の「成長フェーズ」と「PMの裁量権」。

私が事業責任者として全体を俯瞰して初めて、PMが疲弊する本当の理由が見えました。それは、事業の意思決定プロセスと、現場のPMの役割が乖離していることでした。

だからこそ、面接では必ず「過去のプロジェクトで、当初の計画から大幅な仕様変更があった際、最終的な意思決定は誰が、どのようなプロセスで行いましたか?」という質問をすべきなのです。この質問への答えに、その企業のリアルなカルチャーとPMの立ち位置の本質的な部分が見えてきます。

ステップ3:「なんちゃってPM経験」で仮説検証する

「自分にPMの適性があるか分からない…」
「転職はリスクが高い…」

その不安は当然です。だからこそ、いきなり転職という大きな賭けに出る必要はありません。

まずは、現職で「なんちゃってPM経験」を積んでください。
例えば、小さな改善プロジェクトのリーダーに立候補する、部署を横断したイベントの幹事を引き受ける、など、何でも構いません。

そこで、自分が「人を動かし、物事を前に進める」ことに喜びを感じるのか、それとも苦痛を感じるのかを「仮説検証」するのです。これが、リスクを抑え、適性を確かめるための有効な戦略です。この小さな成功体験は、あなたの自信になり、面接で語れる強力な武器にもなります。

あなたの「悩み」こそが、強力な武器になる

転職はゴールではなく、あなたの価値を最大化するための手段にすぎません。
重要なのは、あなた自身の「価値」を正しく理解し、それを最も活かせる場所を戦略的に選ぶことです。

私自身、回り道ばかりのキャリアでした。しかし、製造現場で顧客の痛みに向き合った経験も、プロジェクトを大炎上させた失敗も、その全ての経験が今の私を作っています。

あなたも、今の悩みやコンプレックスを、未来への強力な武器に変えることができるのです。

この記事が、あなたの「後悔しない」キャリアを築くための一歩となれば、これほど嬉しいことはありません。

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